特別な土壌


シャトーヌフ·デュ·パプのブドウ園の地質図e


 

 

コンタ・ヴネッサンの平地の中心、シャトーヌフ・デュ・パップは標高120メートルの丘高くにある。ヴォクリューズ県のアヴィニヨン市とオランジュ市のちょうど中間地点に位置する。すぐそばに流れているローヌ川左岸にあり、歴史的にも深い関係がある。

数千年昔、第二期と第三期制の内海はここまで広がっており、様々な沖積物が運ばれ、層を成し、今日のぶどう畑の地中を形成してきた。第四期氷河期の影響で、ローヌ川はその通り道を激しい勢いで流れ、アルプス山塊の岩盤を削り落としてきた。川の激しい流れによって丸く削られてきたアルプスの岩や石ころは、やがて流れが緩やかになった現在のシャトーヌフ・デュ・パップの付近に蓄積される。

シャトーヌフのアペラシォンの土壌のシンボルでもあるこの大きな丸石は、日中に蓄えた暑さを夜間にぶどうに与える働きをしている。こうしてぶどうは完璧なまでに熟していくわけである。またこの暑い石は水分を蒸発させてもくれるので、湿気を飛ばし、ぶどうが病気になるのを防ぐ役目も果たしている。

地中はその大部分は赤色粘土質である。水分を求めて、ぶどうは地中3メートルにまで根を張ることができる。ヴィエイユ・ヴィンニュ(古木)が質の高いぶどうを生産できるのはこの地中深くに伸びる根っこのおかげでもある。

シャトーヌフ・デュ・パップには他に2つの典型的な土壌がある。西側には、地中の粘土質層、又はモラッセと呼ばれる石灰質砂岩層に硬い石灰質の岩が表面を覆う土壌がある。東側は砂質の丘陵地、ここはローヌ川が引いていったことによって形成された森と石ころの転がる平地部である。ワインを生産する際、生産者達はこれらの異なる土壌から生産するぶどうを上手にブレンドして複雑さをもたらせるか、または特徴ある土壌のぶどうののみで特別なキュベを生産するなどしている。

石灰岩

圧延の小石

粘土