シャトーヌフ・デュ・パップは2006年9月にSRG として認定された。以来いくつものプロジェクトが実現されてきた。ぶどう畑と取り巻く周囲の環境、観光や文化活動などをより結び付けようとしている。
村人達のダイナミックさに加え、ワインと結び付けて考えられる文化および観光活動のポテンシャルが、このラベル認定委員会のメンバーに認められたのだ。通常の条件である生産者との交流やコンタクト、散策コース、素晴らしい景観の評価に加え、ワインが付加価値効果をもたらしている。
SRGの特徴は、歴史と知名度をもった農食産物を焦点に当てていることである。象徴的な産物であるからこそ、それなりの歴史と高いクオリティを持っていなければならない。
国が認定したSRGのアソシエーションの会員として、シャトーヌフ・デュ・パップはワインと文化的遺産を今まで以上に価値付けていくため、幾つかのプロジェクトを立ち上げた。
ここには2つのテーマが掲げられている。
まずは畑内の作業方法が景観に与えるインパクトについて。例えば雑草が生えるのを防ぐためぶどう畑、特に若木の根元にビニール袋を敷き詰めることは少しずつなくなっている。この作業は単に景観を損なうだけでなく、畑の環境にとっても好ましくない。畑のイメージも損なわれる。より見栄えもよい代わりの方法が考慮され、実践されている。
2つ目はぶどう畑の区画づくりである。畑が年々開拓されることにより、多くの木々が切断され、残った景観は畑ばかりのつまらないものになってしまう。幾つかの提案が出されたが、生産者達は自分達の畑にレリーフを加え、表情豊かになるように働きかけている。庭師と一緒に畑内に木を植え始めるものもいる。
ぶどう畑を歩くか、または自転車で回ることはワインと景色が一体化し、より理解を深めるための最高の手段である。この点についても幾つかの提案は実現され、また一部は現在も計画中である。
- 畑の中の教育的な散策
訪れる人々が感覚的にも満喫できるような具体的なコースが幾つか検討された。夏には夜間コースもある。ぶどう畑やドメーヌを訪問し、ヴューポイントに立ち寄り、生産者と出会い、レストランで食事するというのが基本的な流れになる。シャトーヌフ・デュ・パップのワインの生産の術からグルメな部分までを理解してもらおうという目的である。
·トレイルマップ
生産者達は自分達のアペラシォンの持つ遺産や建築物の重要さを理解し、カーブの修繕工事などを行う際に周囲との景観をより重視するようにしている。
- 道沿いの標識について
景観を損なわずに案内や標識を道沿いに立てることについては、生産者達は各村役場との協力を得てより適した方法を検討している。
- 受け入れ態勢
生産者、観光業者、ホテルレストラン関係者たちは、よりクオリティの高い受け入れ態勢を整えられるよう、日々協力体制を組んでいる。
- ぶどう畑の景観保護
アペラシォン保護管理を目的に活動する機関であるODGはその他の地方機関とも協力して、景観やイメージの保護に影響がないかどうか、この地域で行われる土地整備計画などにも目をむけている。